分詞が形容詞的に用いられて名詞を修飾するとき、これを分詞の形容詞用法と呼ぶ。なお、完全に形容詞化した分詞は分詞形容詞として区別される。

現在分詞と過去分詞の基本的な違い [edit]

原則として、現在分詞は能動の意味(~する/~している)を表し、過去分詞は受動の意味(~される/~された)を表す。

限定用法で、現在分詞を使うか過去分詞を使うかは、分詞の元になる動詞と修飾される名詞との関係によって決まる。分詞の元になる動詞と修飾される名詞との間に能動関係(~する/~している)が成り立つのであれば現在分詞、受動関係(~される/された)であれば過去分詞を用いる。

なお、現在分詞と動名詞は同じ~ingのかたちを取るが、それぞれ用法が異なる。詳しくは動名詞と現在分詞の違いを参照

以下の例では、他動詞excite(~を興奮させる)を元に作られた現在分詞exciting(興奮させる)と過去分詞excited(興奮させられた)を用いている。

  • an exciting match
    • (人を)興奮させる試合 → ワクワクする試合/面白い試合/手に汗握る試合
      • 修飾される名詞matchと、動詞excite(興奮させる)の間には能動関係が成り立つ。
      • excitingなどの感情に関わる分詞は完全に形容詞化しているため分詞形容詞として区別される。
  • an excited child
    • (何かによって)興奮させられた子供 → 興奮した子供
      • 修飾される名詞(child)と、動詞excite(興奮させる)の間には受動関係が成り立つ。
      • 日本語では自動詞で表現するものが、英語では他動詞を用いた受動態で表現することがある。感情の表現などに特に多い。

分詞の位置 [edit]

名詞の前に置く場合(前置修飾) [edit]

原則として、分詞を単独で用いるときは名詞の前に置く。

自動詞の現在分詞 [edit]

現在分詞を名詞の前に置くとき、その分詞の元になる動詞は原則として自動詞に限られる。修飾される名詞と分詞の元になっている動詞とのあいだには能動の関係が存在している。

  • There are several ways to calm a crying baby.
    • 泣いている赤ん坊をあやす方法はいくつかある。
      • 現在分詞cryingの元になっている動詞は自動詞cry。
  • China used to be called a "Sleeping Lion".
    • 中国は、かつて「眠れる獅子」と呼ばれていた。
      • 現在分詞sleepingの元になっている動詞は自動詞sleep。

他動詞の過去分詞 [edit]

他動詞の過去分詞は受動の意味になる。すなわち、修飾される名詞と分詞の元になっている動詞とのあいだには受動の関係が存在している。

  • A second-hand car means a used car.
    • セカンドハンド=カーとは、中古車のことを指す。
      • 過去分詞usedの元になっている動詞は他動詞use。
  • This room has a hidden camera.
    • この部屋には隠しカメラがある。
      • 過去分詞hiddenの元になっている動詞は他動詞hide。

自動詞の過去分詞 [edit]

自動詞の過去分詞は完了の意味を表すので注意が必要である。

  • The children gathered fallen leaves and burned them in a fire.
    • 子供たちは落ち葉を集めて火にくべた。(落ちてしまった葉→落ち葉)
      • 過去分詞fallenの元になっている動詞は自動詞fall。
      • a falling leafは、「舞い落ちてくる1枚の葉」。
  • A drowned man doesn't float on his back, but on his face.
    • 溺死者は、仰向けではなく、うつ伏せに浮かぶ。(溺死してしまった人→溺死者)
      • 過去分詞drownedの元になっている動詞は自動詞drown。
      • a drowning personは、「溺れ死にかけている人」。"A drowning man will catch at a straw."(溺れる者はわらをも掴む)という諺がある。
  • Japan is the first Asian nation to become a developed country.
    • 日本は、アジアの中で最初に先進国となった国だ。(発展してしまった国→先進国)
      • 過去分詞developedの元になっている動詞は自動詞develop。
      • a developing countryは、「発展しつつある国」→「発展途上国」。
      • かつては、先進国という言葉に対して「後進国」という言葉が使われたが、差別的な表現であるとの理由から、近年では「発展途上国」という言葉を用いるのが普通。

名詞の後ろに置く場合(後置修飾) [edit]

分詞が他の語句を伴う場合、<名詞+分詞+他の語句>の形で名詞の後ろに置く。他の語句には、副詞表現の他に、分詞の目的語や補語が来ることもある。後置修飾する分詞(形容詞句)は関係代名詞節(形容詞節)で書き換えることができる。

分詞+副詞表現 [edit]

  • My daughter was chased by a dog barking loudly.
    • 私の娘は、大きな声で鳴く犬に追いかけられた。[現在分詞+副詞]
      • 関係代名詞節を用いて、"a dog which was barking loudly"とも書ける。
  • Nuclear family is the term for a family consisting of father, mother and their children.
    • 核家族とは、父親と母親、子供から成る家族を指す用語である。[現在分詞+副詞句]
      • 関係代名詞節を用いて、"a family which consists of father, mother and their children"とも書ける。consistは状態動詞なので進行形にしないので注意が必要である。
  • Today cars made in Japan are loved by people all over the world.
    • 今日、日本で作られた車は世界中の人々に愛好されている。[過去分詞+副詞句]
      • 関係代名詞節を用いて、"cars which are made in Japan"とも書ける。
      • 単に、Japanese cars(日本車)とも言える。

自動詞の過去分詞が後置されるのは特殊な場合に限られる。

  • The train recently arrived at Platform 1 is from Chicago.
    • 1番乗り場に先ほど到着した電車はシカゴ発です。[副詞+過去分詞+副詞句]

分詞+目的語 [edit]

  • I know some restaurants serving Vietnamese food.
    • 私は、ベトナム料理を出すレストランをいくつか知っている。[現在分詞+直接目的語]
      • 関係代名詞節を用いて、"some restaurants which serve Vietnamese food"とも書ける。
  • The computer is a tool giving you a lot of possibilities.
    • コンピュータは、あなたに多くの可能性を与えてくれる道具だ。[現在分詞+間接目的語+直接目的語]
      • 関係代名詞節を用いて、"a tool which gives you a lot of possibilities"とも書ける。
  • In our study, people given this medicine daily lost 20 percent of their body fat in a week.
    • 我々の研究では、この薬を毎日投与された人は1週間で体脂肪を20%減らした。[過去分詞+直接目的語]
      • 関係代名詞節を用いて、"people who were given this medicine daily"とも書ける。 分詞+補語

分詞+目的語+補語 [edit]

  • Easy Way to Stop Smoking by Allen Carr is a book encouraging you to quit smoking.
    • アレン=カー著『禁煙セラピー』は、禁煙をうながす本である。[現在分詞+目的語+補語(to不定詞)]
      • 関係代名詞節を用いて、"a book which encourages you to quit smoking"とも書ける。
      • 『禁煙セラピー』は実在する書籍。1996年にイギリスで出版された同書は、独自の禁煙法を紹介し、世界45カ国で出版されるほどの大ベストセラーとなった。

分詞+補語 [edit]

  • A young man called Roy came up to me in the cafeteria.
    • ロイと呼ばれる若い男が、食堂で私に近づいてきた。[過去分詞+補語(名詞)]
      • 関係代名詞節を用いて、"A young man who was called Roy"とも書ける。
  • Students allowed to register after this period must pay a late fee.
    • この期間以降の履修登録を許可された学生は遅滞料金を払わなければならない。[過去分詞+補語(to不定詞)]
      • 関係代名詞節を用いて、"Students who are allowed to register after this period"とも書ける。
  • He is a Christian turned Buddhist.
    • 彼はキリスト教から仏教徒に改宗した人だ。

分詞単独による慣用的な後置修飾 [edit]

分詞が単独で名詞の後ろに置かれることがある。一般的に分詞の動詞的性質が強いときに起こる現象で、他動詞の過去分詞が使われることが多い。

  • The employees concerned should bring their insurance cards.
    • 該当する社員は保険証を持参すること。
      • <名詞(主に人/組織など)+concerned>で、「該当する~」の意。
  • According to the information received, six soldiers were killed in the operation.
    • 情報によると、6人の兵士がその作戦で死亡したとのことだ。

[FYI] 分詞の前置と後置 [edit]

分詞は、動詞から生まれた形容詞である。したがってその役割は、形容詞的性質と動詞的性質を併せ持つものになる。

形容詞的性質が状態的/永続的/一般的性質を表し、そのため強い限定力を持つのに対して、動詞的性質は動作的/一時的/個別的な意味を表し、そのため限定力が弱い。一般的に、単独で用いられた分詞を形容詞的に使うときは前置し、動詞的に使うときは後置する。

  • The used car was a Toyota.
    • その中古車はトヨタ製だった。
      • 「中古の」という状態は永続的な性質である。
  • The car used was a Toyota.
    • 使われた車はトヨタ製だった。
      • 「使われた」のは一時的である。

分詞の前置と後置について、学習参考書の中では『英文法詳解』(杉山, 1998)が最も詳しい解説を試みている。だが、同書でも「名詞を修飾する分詞(1語だけ)をその前におくかあとにおくか、に関するルールは、十分満足できるものが見つかっていないようである」と断ってある(p. 406)。