動名詞をはじめとする準動詞は、動詞を元に作られてはいるが動詞ではないので、それ自体が明確な時制を表すことはない。そのため、準動詞の動作や状態がいつ起きたのか(または、いつそうなのか)は、原則として文の述語動詞(V)で表される時制に一致する。ただし、文の述語動詞(V)よりも前の「時」を明確に示す必要があるときや、準動詞に完了のニュアンスを持たせたいときには準動詞を完了形にする。動名詞の完了形は、単純形は<having+過去分詞>、受動形は<having+been+過去分詞>の形で表す。

動名詞の完了形 [edit]

  • He is proud of being rich.
  • = He is proud that he is rich.
    • 彼は金持ちであることを誇りに思っている。
      • 動名詞being rich(金持ちである)のがいつなのかは、Vの時制(現在)と一致。
  • He is proud of having been rich.
  • = He is proud that he [was | has been] rich.
    • 彼は、自分が金持ちだったこと(ずっと金持ちであること)を誇りに思っている。
      • 準動詞の完了形が、Vよりも以前の時(過去)を表すか、完了の意味を持つかは、文脈で判断する。

[FYI] I regret saying such a thing.とI regret having said such a thing.の違い [edit]

一般的に、動名詞がVよりも前の時を表しても、時間の前後関係が明らかな場合は完了形ではなく単純形で表すことが多い。

  • I regret saying such a thing.
    • 私は、そんなことを言ったのを後悔している。

上の場合、動名詞が表す「そんなことを言ったこと」は、現在から切り離された過去の出来事で、「後悔している」という現在の行為よりも明らかに先行する。そのため、わざわざ完了形にする必要はない。

もしも「そんなことを言ってしまったこと」という完了の意味合いを持たせたいのであれば、次のように完了形で書く。

  • I regret having said such a thing.
    • 私は、そんなことを言ってしまったのを後悔している。

名詞節⇔動名詞の書き換え [edit]

前項の例文からもわかるように、<be proud of 動名詞>という表現は、名詞節(that節)を用いて<be proud that節>と書き換えることができる。書き換えの際には、動名詞の意味上の主語と、動名詞の表す時制に注意する必要がある。

  • Kevin is proud that he is educated in France.
  • Kevin is proud of being educated in France.
    • ケビンは、フランスで教育を受けていることを誇りに思っている。
  • Kevin is proud that he [was | has been] educated in France.
  • Kevin is proud of having been educated in France.
    • ケビンは、フランスで教育を受けたこと(受けてきたこと)を誇りに思っている。
  • Kevin was proud that he had been educated in France.
  • Kevin was proud of having been educated in France.
    • ケビンは、フランスで教育をうけたこと(受けてきたこと)を誇りに思っていた。
  • Kevin is proud that his son is educated in France.
  • Kevin is proud of his son('s) being educated in France.
    • ケビンは、息子がフランスで教育を受けていることを誇りに思っている。
  • Kevin is proud that his son [was | has been] educated in France.
  • Kevin is proud of his son('s) having been educated in France.
    • ケビンは、息子がフランスで教育を受けたこと(受けてきたこと)を誇りに思っている。

名詞節と動名詞で書き換えができる主な表現は次のとおり。

  • S is afraid that節 ⇔ S is afraid of ~ing:~ではないかと心配する/恐れる
  • S is ashamed that節 ⇔ S is ashamed of ~ing:~を恥ずかしく思う
  • S is proud that節 ⇔ S is proud of ~ing:~を誇りに思う
  • S complain that節 ⇔ S complain [of | about] ~ing:~について不平を言う
  • S insist that節 ⇔ S insist on ~ing:~を強く要求する/言い張る
  • S deny that節 ⇔ S deny ~ing:~を否定する
  • S regret that節 ⇔ S regret ~ing:~を悔やむ
  • S report that節 ⇔ S report ~ing:~を報告する