分詞が接続詞と動詞の役割を兼ねて副詞句として働くとき、''分詞構文''(Participial Construction)と呼ぶ。

#contents


*分詞構文の基本形 [#xb151c95]

分詞構文とは、<接続詞+S+V>という節のかたちを分詞を用いて句のかたちに書き換えたものである。原則として、Vが能動態であれば現在分詞を、受動態であれば過去分詞を用いる。Vが主節の時制よりも古い時を表したり完了時制である場合は、分詞を完了形にする。

|>|>|~分詞構文での分詞の形(moveの場合)|h
||~能動態|~受動態|
|~単純形|CENTER:moving|CENTER:(being) moved|
|~完了形|CENTER:having moved|CENTER:(having been) moved|


**接続詞+分詞構文 [#u904f973]

分詞構文は、その表す意味を文脈から判断する必要があるが、はっきりと意味を明示するために接続詞を前に置くことがある。前に置かれる接続詞は、時/条件/譲歩/場所を表すものがほとんどで、理由を表す接続詞は用いられない。

-''While driving'', you must avoid using a cell-phone.
-= %%%'''While''' you ''are driving''%%%, you must avoid using a cell-phone.
--運転中は携帯電話を使ってはいけません。


**分詞構文+as one does [#a7bb040c]

分詞構文に様態を表す副詞節<as one does>(doesは代動詞)を添えて、「なにしろ~なので」と理由を強調することがある。

-''Liking children as she does'', she will surely become a wonderful teacher.
-= %%%'''As''' she ''likes'' children as she does%%%, she will surely become a wonderful teacher.
--彼女はなにしろ子供が好きなので、きっと素晴らしい先生になるでしょう。
*分詞構文の表す意味 [#n68ee567]

分詞構文がどのような意味を表すかは、文脈に基づいて判断する必要がある。分詞構文は、その表す意味に基づいて適切な接続詞を用いると節に書き直せるものが多い。
**時 [#y6b9f8ad]

-''Seeing'' this photo, I always remember my school days.
-= %%%'''When''' I ''see'' this photo%%%, I always remember my school days.
--この写真を見ると、いつも学生時代を思い出す。

-''Skiing'' in Hokkaido, he twisted his ankle.
-%%%['''When''' | '''While'''] he ''was skiing'' in Hokkaido%%%, he twisted his ankle.
--北海道でスキーをしているとき、彼は足首をひねった。

上記の例文では、分詞構文で表されている出来事は文の動詞が表す時と同時に起こっているが、以下のように「文の動詞より前」「文の動詞より前」を表すこともある。この用法は、[[連続を表す付帯状況:http://mep.papiko.com/index.php?%E5%88%86%E8%A9%9E%E6%A7%8B%E6%96%87#k0f4b983]]として分類する。

-''Leaving'' from Kyoto at nine, the train arrives in Tokyo at eleven.
-= %%%'''After''' it ''leaves'' from Kyoto at nine%%%, the train arrives in Tokyo at eleven.[文の動詞より前の時]
--9時に京都を出たあと、その列車は11時に東京に着きます。

-The train leaves from Kyoto at nine, ''arriving'' in Tokyo at eleven.
-= The train leaves from Kyoto at nine %%%'''and''' ''arrives'' in Tokyo at eleven%%%.[文の動詞より後の時]
--その列車は9時に京都を出て、11時に東京に着きます。
---文の動詞より後の時を表す場合、分詞構文は文の後ろに置くのが普通。
**原因/理由 [#g8c793d7]

-''Living'' very far from town, she seldom has visitors.
-= %%%'''As''' she ''lives'' very far from town%%%, she seldom has visitors.
--町から遠く離れて暮らしているので、彼女を訪ねる人はまれである。

分詞構文を否定するには、分詞の直前に否定語を置く。

-''Not knowing'' what to say, I remained silent.
-= %%%'''As''' I ''didn't know'' what to say%%%, I remained silent.
--何を言うべきかわからなかったので、私は黙ったままでいた。

分詞構文がbeingから始まる場合、ふつうbeingを省略する。

-(''Being'') ''Written'' in plain Chinese, the book is suitable for a beginner.
-= %%%As it ''is written'' in plain Chinese%%%, the book is suitable for a beginner.
--平易な中国語で書かれているので、その本は初心者にぴったりです。

-''(Being) tired'' from a day's work, he went to bed as soon as he came home.
-= %%%'''As''' he ''was tired'' from a day's work%%%, he went to bed as soon as he came home.
--一日の仕事でくたくたに疲れていたので、彼は家に帰るなり床に入った。

-(''Being'') ''A man of responsibility'', he didn't leave the matter alone.
-= %%%'''As''' he ''was a man of responsibility''%%%, he didn't leave the matter alone.
--責任感の強い人だったので、彼はその問題を放置しておかなかった。



**付帯状況 [#eb8f79b1]

付帯状況とは、追加的な情報を主文に添える意味合いを持つ。
***同時:~しながら [#i451c4d7]

付帯状況を表す分詞構文は文の後ろに置くのが普通である。

-Mary was humming to herself, ''working'' in the kitchen.
--メアリーは台所仕事をしながらひとりで鼻歌を歌っていた。

-The driver walked away, ''leaving'' his car engine running.
--運転手は、車のエンジンをかけたままで立ち去った。
---with his car engine runningとも書ける。[[with+独立分詞構文:http://mep.papiko.com/index.php?%E5%88%86%E8%A9%9E%E6%A7%8B%E6%96%87#g3e1a171]]を参照。

***連続:そして~ [#k0f4b983]

意味の軽い部分が分詞構文になる。

-Miki %%%took out a key from her bag%%% and %%%opened the box%%%.
--ミキはバッグから鍵を取り出し、その箱を開けた。

上の例文の下線部分をそれぞれ分詞構文にすると次のようになる。

-''Taking'' out a key from her bag, Miki opened the box.
-Miki took out a key from her bag, ''opening'' the box.

主語の直後など、文中に分詞構文が挿入されることもある。

-Miki, ''taking'' out a key from her bag, opened the box.
--主語が代名詞の場合、主語の直後に分詞構文が挿入されるかたち(She, taking out ・・・)はまれ。


**条件 [#scfe9a25]

分詞構文が条件を表す場合、過去分詞を用いることが多い。

-''Seen'' from an airplane, the island looks like a human face.
-%%%['''If''' | '''When'''] it ''is seen'' from an airplane%%%, the island looks like a human face.
--飛行機から見ると、その島は人間の顔のように見える。

現在分詞を用いて条件を表すのは、Weather permitting(天気が許せば)のような慣用的な表現に限られる。

-''Weather permitting'', we'll go hiking tomorrow.
--天気が許せば、僕たちは明日ハイキングに行きます。
**譲歩 [#h6294740]

分詞構文が譲歩の意味を表すときは、以下の例文のように<Admitting ~>(~は認めるが)から始まることがほとんどであり、それ以外の分詞を用いる場合は<接続詞+分詞>のかたちで表すことが多い。

-''Admitting'' you are busy, I still think you should do it.
-= %%%['''Although''' | '''Though'''] I ''admit'' you are busy%%%, I still think you should do it.
--君が忙しいことは認めるが、やはり君がそれをすべきだと僕は思うよ。

-''Though'' (''being'') very busy, she helped me finish the work.
--彼女は、多忙にも関わらず、私が仕事を終えるのを手伝ってくれた。
*分詞構文の完了形 [#ne1cd354]

分詞構文で表される動作や出来事が、主文の動詞の表す時より以前に起こったことを明示する場合、分詞を完了形にする。

-''Having slept'' well last night, he feels fine today.
-= %%%'''As''' he ''slept'' well last night%%%, he feels fine today.
--昨夜よく眠ったので、彼は今日気分がよい。

完了形の分詞構文をneverで否定する場合、語順は<Never having ~><Having never ~>のどちらでもよい。

-[''Having never'' | ''Never having''] been to that city, she had no idea where to get on a bus to the temple.
-= %%%'''As''' she ''had never been'' to that city%%%, she had no idea where to get on a bus to the temple.
--その町に行ったことが無かったので、彼女はお寺に行くバスにどこで乗ればいいのかさっぱりわからなかった。
*独立分詞構文 [#l1089df7]

分詞構文の意味上の主語が文の主語と異なる場合、分詞の前に置いて明示する。このような分詞構文を''独立分詞構文''(Absolute Participial Construction)と呼ぶ。独立分詞構文は極めて堅い文語的な表現とされ、日常会話で用いられることは非常に珍しい。

-'''It''' ''being'' fine, we decided to go fishing in the river.
--天気が良かったので、私たちは川に魚釣りに行くことにした。
---独立分詞構文の主語は天候を表すIt。

-'''All things''' (''being'') ''considered'', George is the best person to be the next manager.
--総合的に考えて、ジョージが次期部長に最も適任だ。

-'''Such''' ''being'' the case, I cannot attend the next meeting.
--こういう事情ですので、次週の会議には出席できません。

-'''Human nature''' ''being'' what it is, people will always find ways to differentiate themselves from each other.
--人間の性質上仕方の無いことだが、人間は常にお互いを差異化するための手段を探し出すものだ。


[[There構文]]の場合、Thereを主語に見立てて次のように書く。

-'''There''' ''being'' no bus service, we had to walk home.
--バスの便が無かったので、我々は歩いて家に帰らなければならなかった。


**懸垂分詞 [#mb428ebc]

分詞構文の意味上の主語が文の主語と一致していないにも関わらず、独立分詞構文となっていない分詞を''懸垂分詞''(Dangling Participle)と呼ぶ。懸垂分詞は、英語母語話者によってしばしば用いられるが、文法的には誤用とされる。

-''Being over two hundred years old'', I had difficulty reading the document.
--200年以上前の文書だったので、私は読むのに苦労した。

上記の例文のままでは、"over two hundred years old"なのは文の主語であるIになってしまうため、次のように修正するのが普通である。

-'''The document''' ''being over two hundred years old'', I had difficulty reading them.
-'''The document''' ''being over two hundred years old'', I had difficulty reading it.
*with+独立分詞構文 [#g3e1a171]

付帯状況や理由を表す分詞構文を<with+独立分詞構文>のかたちで表すことがある。

-The young man was sitting there, ''crossing'' '''his legs'''.[分詞構文]
-The young man was sitting there, with '''his legs''' ''crossed''.[with+独立分詞構文]
--その若い男は足を組みながらそこに座っていた。

-The girl walked down the street, ''followed'' by her dog.[分詞構文]
-The girl walked down the street, with '''her dog'''  ''following'' her.[with+独立分詞構文]
--少女は、飼い犬を後ろに従えながら通りを歩いていた。

-I can't concentrate with '''you''' ''standing'' there.[with+独立分詞構文]
--そんなところに立っていられると集中できないよ。
*慣用的な分詞構文 [#m8937de5]

文の主語に関わりなく用いられる次のような分詞構文は慣用表現として定着しているものである。懸垂分詞の一種だが、これらは文法的に誤った表現とは考えられない。

-''Generally speaking'', Americans are friendly and open.
--一般的に言って、アメリカ人は友好的で開けっぴろげだ。
--speakingの意味上の主語は一般の人々(weやthey)。

-[''Talking'' | ''Speaking''] ''of'' Indian restaurants, I know a good one around here.
--インド料理屋と言えば、このあたりにうまい店が一軒ありますよ。

-''Weather permitting'', there will be an outdoor concert given by the university brass band tomorrow.
--天候が許せば、明日、大学の吹奏楽団による野外コンサートが開かれます。

-[''Granting'' | ''Granted''] ''that'' you are right, I'm still against this plan.
--仮に君の言うことが本当だとしても、僕はやっぱりこの計画に反対だ。

その他の慣用的な分詞構文は次のとおり。

-considering ~:~を考慮すると
-judging from ~:~から察するに
-seeing that ・・・:・・・であることを考えると
-supposing that ・・・:もし・・・なら
-[provided | providing] that ・・・:もし・・・なら
-taking ~ into consideration:~を考慮に入れると