「―が~を…する」という文の「~を」の部分に当たる語を目的語(Object)と呼ぶ。目的語になるものは、名詞・代名詞のほか、名詞相当語句に限られる。
目的語になる名詞相当語句の例 †(1) 名詞 †
(2) 代名詞 †
(3) 形容詞 †
(4) 分詞 †
(5) 不定詞 †
(6) 動名詞 †
(7) 名詞句 †
(8) 名詞節 †
(9) 引用語句 †
目的語の種類 †目的語は、構造上、次のような種類に分類できる。 (1) 直接目的語と間接目的語 †他動詞の中には、「―が~を…する」の「~を」の目的語のほかに、「~に」の意味を持つもう一つの目的語をとるものがある。こうした他動詞は二重目的語動詞(Double-Object Verb)と呼ばれる。 「~を」にあたる目的語を直接目的語(Direct Verb)と言う。
「~に」にあたる目的語を間接目的語(Indirect Verb)と言う。
(2) 保留目的語 †目的語が2つ存在する能動態の文を受動態に書き換えるとき、主語や前置詞句にならず元の位置に取り残される目的語を保留目的語(Retained Object)と呼ぶ。下記の能動態の文は、間接目的語の me と直接目的語の the book のそれぞれを主語として2通りの受動態に書換え可能である。
(3) 相互目的語 †相互代名詞のeach otherとone anotherが目的語になるとき、相互目的語(Reciprocal Object)と呼ばれることがある。
(4) 再帰目的語 †目的語は主語の動作を受ける対象を表すので主語とは異なるものになるのが普通だが、他動詞の中には主語自体を目的語にとるものがある。そのような場合、再帰代名詞が使われる。再帰代名詞が目的語になるとき、再帰目的語(Reflexsive Object)と呼ばれる。
(5) 形式目的語 †第5文型<SVOC>において、目的語が長いためitを形式的に置くことで代用し、後ろの目的語を受けさせることがある。このとき、itを形式目的語(Formal Object)と呼び、後ろの目的語を真目的語(Real Object)と呼ぶ。真目的語は不定詞・動名詞・名詞節などの名詞相当語句である。
We thought it probable that the Labour Party would agree to the bill. 我々は、労働党がその法案に賛同するだろうと思った。(真目的語は名詞節) Teachers often take it for granted that students study diligently. 教師は、学生は真面目に勉強して当然と思いがちだ。(真目的語は名詞節) (6) 同族目的語 †自動詞として働く動詞が、その動詞の名詞形や類似した意味の名詞を目的語とする他動詞として用いられることがある。こうした目的語は同族目的語(Cognate Object)と呼ばれる。同族目的語を用いた表現は文語調とされ、口語では副詞語句で表現されることが多い。
ただし次のような同族目的語は副詞語句で書換え不可。
[FYI] 結果目的語 †動詞の表す動作の結果として生じた目的語を結果目的語(Effective Object)と呼ぶ。次の2文を比較。
結果目的語をとる他動詞として、bake, create, make, paint, produce, writeなどの製作動詞の他に、dig, light, eatなどがある。
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