受動態では、動作主は一般的に<by+動作主>で表されるが、受動態が状態の意味を持ち、過去分詞に形容詞的な性格が強いときにはby以外の前置詞を用いることがある。
感情の表現 †
「驚く」という感情は、日本語では自動詞として表現するが、英語では「驚かされる」と受動態で表現する。他にも「興奮する」「がっかりする」「満足する」など、感情を表す表現の多くは英語では受動態で表されるので注意が必要である。
- The news surprised all of us.
- All of us were surprised at the news.
- 我々は皆、その報せに驚いた。
- 受動の意味を強調したいときにはbyを使うこともある。
その他 †
その他にも、慣用的にby以外の前置詞を用いるものがある。
- Her name is known to everybody in this village.
- 彼女の名前はこの村の人たち全員に知られている。
- 「彼女の名前が村人に知られる」という動作を表しているのではなく、「知られている」という状態を表している。
- 過去分詞knownを形容詞familiarに置き換えても意味がほぼ同じになることからも、このknownは形容詞的性格が強いことがわかる。
- by以外の前置詞を用いる代表的な受動態表現
- be composed of ~から成る
- be covered with ~で覆われている
- be disappointed at ~に失望する
- be known to ~に知られている
- be made from ~から作られている(原料)
- be made of ~でできている(材料)
- be satisfied with ~に満足している
- be scared of ~を恐れる
また、同じ表現でも複数の前置詞をとるものもある。その場合、上記の一覧ではよく使われる前置詞をひとつだけ取り上げて掲載している。
- His hands were covered [with | in | by] mud.