#navi(Mt. English Grammar)

*第01章 文型/文の種類 [#b1d357fe]
#region(目次:第01章 文型/文の種類)
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*1.1   第1文型 [#ldab9e3e]

**1.1.1   第1文型(S+V) [#gf1a4aef]

第1文型は<S+V>たった2つの文の要素から成る、最も単純なかたちの文型である。だからと言って簡単な文型というわけではない。むしろ、動詞の意味がわからなければ手も足も出ない可能性がある。

第1文型に用いられる動詞は自動詞(完全自動詞)かbe動詞である。第1文型を作るbe動詞は「(Sが)存在している/ある」という意味を表す。このため「存在のbe動詞」と呼ばれることもある。

第1文型の英文が文の要素(SとV)だけで成り立つのは珍しく、ほとんどの場合は修飾語句(副詞・副詞句・副詞節)を伴う。このため参考書の中には<S+V+M>(Mは修飾語句)という文型として扱っているものもある。

-Tim smiled happily.
--ティムは嬉しそうにほほえんだ。:S+V(完全自動詞)+副詞

-My sister is in her room.
--私の妹は自分の部屋にいます。:S+V(存在のbe動詞)+副詞句

-I lived in Kyoto when I was in high school.
--私は高校生のとき京都に住んでいた。:S+V(完全自動詞)+副詞句+副詞節


**1.1.2   There構文(There+V+S) [#w3817dd7]

ある不特定なものが存在することを示す<There+be動詞(などの動詞)+名詞>は、動詞部分が直後の名詞の数・人称に一致するため、いちおう第1文型(There+V+S)に分類される。だが、疑問文にするときThereが主語のように振舞って変則的な倒置を起こすため、特殊な文型と考えてよい。

-There is (isn’t) a cat on the roof.
--屋根の上にネコがいる(いない)。[肯定文(否定文)]

-Is there a cat on the roof?(×There a cat is on the roof?)
--屋根の上にネコがいますか。[疑問文]


*1.2   第2文型と第3文型 [#ifc0b1b6]

**1.2.1   第2文型(S+V+C) [#z42e6c54]

第2文型は<S+V+C>によって構成される。その特徴は、Cの意味上の主語がSになることである。Vにはbe動詞のほか自動詞(不完全自動詞)が入る。

第2文型の日本語訳は、Vがbe動詞のときは「SはCである」となる。不完全自動詞のときは、動詞の意味に合わせて語尾を適当に変えればよい。以下は、第2文型を作る代表的な不完全自動詞。

-become / get /go / grow / turn / run:Cになる
-keep / remain / stay:Cの状態のままでいる
-look:<様子が>Cのように見える/思える
-look like:<外見が>Cのように見える(likeは前置詞)
-sound:Cに聞こえる/のように思える
-taste:Cの味がする
-smell:Cの匂いがする
-feel:Cの感触がある/心地がする

Cになる品詞は、名詞と形容詞に限られているが、他にも不定詞や分詞が入るので、ここでしっかりと基本を押さえておきたい。

-He is angry with me.
--彼は私に腹を立てている。

-He got angry with me.
--彼は私に怒った。

-He remains angry with me.
--彼は私にまだ腹を立てている。


**1.2.2   第3文型(S+V+O) [#n64beadc]

第3文型は<S+V+O>によって構成され、Vには他動詞が使われる。基本的な日本語訳は「SはOをVする」となる。

-I want a new cell phone.
--僕は新しい携帯(電話)が欲しい。

日本語訳に惑わされて自動詞と他動詞を混同しないようにすること。以下は、特に紛らわしい他動詞。

-discuss:~について議論する	×discuss about
-marry:~と結婚する	×marry with
-resemble:~と似ている	×resemble to
-attend:~に出席する	×attend to
-approach:~に近づく	×approach to
-enter:~に入る		×enter into
-reach:~に着く		×reach to

一般動詞の中には自動詞にも他動詞にもなるものがあるので、注意が必要である。


**1.2.3 同族目的語をOにとるSVO [#ff158787]

普段は自動詞として使うことがほとんどの動詞が、その動詞の派生名詞を目的語に取って他動詞となることがある。そのような目的語を同族目的語と呼び、同族目的語が用いられている文を同族目的語構文と呼ぶ。同族目的語には通例形容詞がつく。

-She smiled a happy smile.
--彼女は幸せそうに笑った。(smileは名詞)
--※ She smiled happily.(第1文型)と書き直せる。

-He slept a sound sleep.
--彼は熟睡した。(soundは形容詞、sleepは名詞)
--※ He slept soundly.(第1文型)と書き直せる。


**1.2.4 再帰代名詞(~self)をOにとるSVO [#vb9209a2]

他動詞で表される動作が主語自身に向けられる場合、再帰代名詞(~self)を目的語に取る。

-She killed herself.
--彼女は自分自身を殺した。→彼女は自殺した。

-The little girl dressed herself in her favorite dress.
--その少女は自分自身をお気に入りのドレスに着替えさせた。→その少女はお気に入りのドレスに着替えた。


*1.3 第4文型(S+V+O1+O2) [#z09e9e99]

第4文型は<S+V+O1+O2>によって構成され、「SはO1にO2をVする」と訳出できる。O1(~に)を間接目的語、O2(~を)を直接目的語と呼ぶ。第4文型をとる他動詞は、本質的に「(O1にO2を)与える」という授与に関わる意味を持つ。

第4文型のほとんどは、O1を<前置詞+O1>の副詞句とすることで第3文型(SVO)に変換することができる。

-SFather Vgave O1me O2a pocket watch.
-SFather Vgave Oa pocket watch to me.
--父は私に懐中時計をくれた。
--<前置詞+O1>の前置詞には、to / for / of / onのいずれかが入る。ofとonについては、ofはask(O1にO2を頼む)、onにはplay(O1にO2<いたずらなど>をする)が対応する。toとforについては、行為の対象となる相手が必要な場合にはto、必ずしも必要ではない場合はforが入ると考えればよい。

-SRoy Vsent O1me O2a letter of thanks.
-SRoy Vsent Oa letter of thanks to me.
--ロイは私に感謝の手紙を送ってきた。(「送る」ための相手が必要なのでto)

-SJill Vbought O1her daughter O2a new bicycle.
-SJill Vbought Oa new bicycle for her daughter.
--ジルは娘に新しい自転車を買ってやった。(「買う」ための相手は必ずしも必要ではないのでfor)

ただし、次の動詞は第3文型に書き換えることはできない。

-cost:O1にO2(費用など)を費やさせる
-envy:O1のO2を羨ましく思う
-save:O1のO2(手間・労力)を省いてやる
-spare:O1にO2(苦労など)をかけないよう気を配る


*1.4   第5文型(S+V+O+C) [#d3eee564]

第5文型は<S+V+O+C>によって構成され、Cの意味上の主語がOになるという特徴を持つ。日本語訳のパターンはVによって微調整が必要だが、本質的に「SはOをC(の状態になることや動作をすること)にV」となる。


**a. makeグループ [#t8bf335a]

「OをC(の状態)にする」を意味する。Cが無ければ英文として完成しない。

-The news of his death made us sad.
--彼が死んだという報せは私たちを悲しませた。

-They chose Nancy chairperson of the meeting.
--彼らはナンシーを会議の議長に選んだ。


**b. paintグループ [#m543f211]

主に「(動作の結果)OをC(の状態に)する」を意味する。Cが無くとも英文として意味を成す。

-My father painted the fence yellow.
--父は柵を黄色に塗った。

-The boxer knocked his opponent unconscious.
--ボクサーは、対戦相手を殴って意識不明にした。


**c. thinkグループ [#mbd052a2]

「OをCと思う」を意味する。OとCの間にはto beが入ることもある。

-Everybody thinks him (to be) honest.
--みんな彼のことを誠実だと思っている。


**d. <S+V+O+前置詞+C>の形を作る他動詞 [#k2fd9536]

下記のような一部の動詞はCを<前置詞+C>のかたちで取るので注意が必要である。

-regard O as C:OをCであると考える
-think of O as C:OをCであると考える
-define O as C:OをCと定義する
-take O for granted:Oを当然のものと考える(for grantedがC)


*1.5   名詞節が文の要素になる文型 [#k81c368a]

**1.5.1   名詞節をOにとる第3文型と第4文型 [#v24148f9]

目的語になる品詞は名詞であるが、名詞に相当するもの(名詞相当語句)であれば基本的に何でも目的語(直接目的語)になれる。具体的には、第3文型(SVO)のO、第4文型(SVO1O2)のO2に名詞節を置くことができる。節のかたちをした名詞を名詞節と呼ぶ。名詞節を作ることができる代表的な品詞は次の3つで、<接続詞(疑問詞)+SV…>の構造を持つ。


***a. that:…するということ(目的語になるとthatはしばしば省略される) [#xf5a46c0]

-SI Vthink O(that) she lives around here.[SVO]
--彼女はこの辺に住んでいると思うよ。

-SShe Vinformed O1her parents O2that she had a financial problem.
--彼女は両親に、お金に困っていることを知らせた。(SVO1O2)


***b. if / whether (or not):…するかどうかということ [#e44ac331]

-SI Vdon’t know Oif he is married (or not).[SVO]
--彼が結婚しているかどうか、僕は知らない。

-SGeorge Vdoesn’t tell O1me O2if he succeeded in the exam.[SVO1O2]
--ジョージは、彼が試験に受かったのかどうか私に教えてくれない。


***c. 疑問詞(who(m) / when / where / why / what / which / how) [#s0a06061]

間接疑問文として名詞節を作る。間接疑問については、1.9で詳しく解説する。


**1.5.2   形式主語構文 [#cf09bfe5]

名詞節を文頭に置くと文頭が大きくなりすぎて文のバランスが悪くなることがある。このような場合、形式主語(仮主語)のItを文頭に置いて名詞節全体を文の最後にまわすのが普通である。形式主語に対して、実際の主語である名詞節を真主語と呼ぶ。このような形式主語を用いた構文を形式主語構文と言う。

-That he died two days ago is true.[SVC]
-It is true that he died two days ago.[SVC:形式主語構文]
--彼が2日前に死んだというのは本当だ。


**1.5.3   形式目的語構文 [#j1f548e7]

第5文型(SVOC)において、名詞節をOに置くと文の中間が大きくなりすぎる。このような場合、形式目的語(仮目的語)のitをOに置いて名詞節全体を文の最後にまわすのが普通である。形式目的語に対して、実際の目的語である名詞節を真目的語と呼ぶ。このような形式目的語を用いた構文を形式目的語構文と言う。

-I thought it strange that he kept silent about his wife’s death.[形式目的語構文:SVOC]
--彼が妻の死について何も言わないことを私は変だと思った。


*1.6 命令文 [#w0d8009d]

命令文は、主語Youが省略されており、動詞の原形から始まる。肯定の命令文(…せよ)は、動詞がbe動詞であればBeから、一般動詞であれば動詞の原形から始まる。否定の命令文(…するな)は、<[Don’t | Never]+肯定の命令文>のかたちを取る。

-Boys, be ambitious!
--少年よ、大志を抱け!
--※ 札幌農学校(現北海道大学)初代教頭・William Smith Clarkの言葉。

-Behave yourself.
--お行儀よくしなさい。

-Don’t say such a thing.
--そんなことを言わないで。

Let’sから始まる命令文は、「…しよう」という提案・勧誘を意味する。否定形はLet’s not / Let’s don’t / Don’t let’sから始める。

-Let’s discuss the matter.
--その問題について議論しよう。
-Let’s not discuss the matter
-Let’s don’t discuss the matter.(主に米口語)
-Don’t let’s discuss the matter.(主に英)
--その問題について議論するのはよそう。


*1.7 疑問文の種類(一般疑問/特殊疑問/選択疑問/付加疑問/否定疑問) [#f16eb250]

**a. 一般疑問文 [#q2e3b192]

疑問詞を用いない疑問文を一般疑問文と呼ぶ。一般疑問文は、動詞がbe動詞であれば<Be動詞+S…?>、一般動詞であれば<[Do | Does | Did]+S+動詞原形…?>、動詞に助動詞が含まれていれば<助動詞+S+動詞原形…?>の語順をとる。一般疑問文への応答は原則としてYes / No(またはそれに相当する表現)で答えることができる。

-Are you a student at Boston University?
--君はボストン大学の学生ですか?
-Yes, I am. / No, I’m not.
--はい、そうです。/いいえ、ちがいます。

-Does John live around here?
--ジョンはこの辺に住んでいるの?
-Yes, he does. / No, he doesn’t.
--はい、そうです。/いいえ、ちがいます。


**b. 特殊疑問文 [#w64419fb]

疑問詞(Who(m) / What / Which / Where / When / Why / How)で始まる疑問文を特殊疑問文と呼ぶ。特殊疑問文は、疑問詞が主語になる時は<疑問詞+V…?>、それ以外は<疑問詞+一般疑問文?>のかたちを取る。特殊疑問文に対してYes / Noで答えることはできない。

-Where does she live?
--彼女はどこに住んでいるのですか?
-She lives in Osaka.
--彼女は大阪に住んでいます。

-Who teaches you calligraphy?
--誰があなたに書道を教えているのですか?
-Ms. Kuroda does.
--黒田先生です。


**c. 選択疑問文 [#r6d6eb74]

2つ(またはそれ以上)の中からどちら(どれ)かを尋ねる疑問文を選択疑問文と呼ぶ。一般的に<(Which+)一般疑問文+A or B?>のかたちを取る。

-Is he American or British?
--彼はアメリカ人ですか、それともイギリス人ですか?

-Which color do you prefer, red or green?
--赤と緑、どっちの色が好き?


**d. 否定疑問文 [#ndbf7d0a]

否定疑問文は、否定文を疑問文のかたちになおしたもので、確認や念押しの意味を持つ。一般疑問文が否定疑問文になった場合、応答に注意する必要がある。

-Aren’t you tired?
--疲れてないのかい?
-Yes, I am.
--いいや、疲れているよ。
-No, I’m not.
--うん、疲れてないよ。


**e. 付加疑問文 [#v36ee861]

付加疑問文は主に口語で用いられる簡単な疑問表現で、「…ですね?」と訳されることが多い。相手に賛同や同意を求めたり(上昇調)、自分の発言内容を相手に確認する(下降調)意味がある。肯定文の場合は<肯定文, VS否定形?>、否定文の場合は<否定文, VS肯定形?>のかたちをとる。

-He is good at French, isn’t he?
--彼はフランス語が上手ですよね?
-Yes, he is. / No, he isn’t.
--はい、そうです。/いいえ、ちがいます。

-I’m right, [am I not | ain’t I]?
--私が正しいでしょう?
--※ am notには縮約形が無いためain’tを用いるが、非標準とされる。

-You don’t have brother, do you?
--あなたに兄弟はいませんよね?
-Yes, I do. / No, I don’t.
--いいえ、いますよ。/はい、いません。
--※ 否定文に続く付加疑問文の応答は否定疑問文の応答に準じる。

There構文の場合は、Thereを主語に見立てて、isn’t there? / is there?などとする。

-There are many temples in Kyoto, aren’t there?
--京都にはお寺がたくさんありますよね?

肯定の命令文に続く場合は、will you?(…してくれませんか<指示・依頼>)とwon’t you?(…しませんか<勧誘>)のどちらもつけることができる。否定の命令文の場合はwill you?(…しないでね<依頼・懇願>)のみ。

-Get me the remote, will you?
--テレビのリモコンを取ってくれないか。[依頼]

-Join our club, won’t you?
--私たちのクラブに入りませんか?[勧誘]

-Don’t touch this, will you?
--これに触らないでくれよ。[指示]

話し手の苛立(いらだ)ちやじれったさを表す場合、次のようにcan’t you?を用いることもある。

-Use your common sense, can’t you?
--常識で考えたらどうだ。

Let’sに続く場合は、否定・肯定に関わらず、shall we?(…しようじゃないか<提案>)を用いる。

-Let’s do it again, shall we?
--もう一回やろうよ。[提案]


*1.8 間接疑問文 [#y8e8081e]

間接疑問文とは、疑問文を名詞節にして文の中に織り込んだもの。言い換えれば、疑問文を名詞節化したものである。間接疑問文ではSとVの倒置は起こらない。すなわち、特殊疑問文を間接疑問文にするには<疑問詞+S+V…>に、一般疑問文を間接疑問文にするには<[if | whether](or not)+S+V…>の語順にする。ただし、次のように疑問詞が文の先頭に移動する場合もある。

-“Do you know where he lives?” “Yes. Osaka.”
--「彼がどこに住んでいるか知っていますか?」「知っています。大阪です。」
--(知っているか/いないかが焦点なので、まずYes/Noで答える)
-“Where do you think he lives?” “I think he lives in Osaka.”
--「彼がどこに住んでいると思いますか?」「大阪に住んでいると思います。」
--(住んでいる場所がどこだと思うかが焦点なので、Whereが先頭に出る)


*1.9 感嘆文 [#pbb7b460]

何かを強調して激しい感情を表す文を感嘆文と呼ぶ。副詞や形容詞を強調するときはHowを、名詞(<形容詞+名詞>のかたちを取ることが多い)を強調するときはWhat(まれにHow)をつけて文の先頭に出し、文の残りには手を加えない。感嘆文の終わりにはピリオドの変わりに感嘆符(!:Exclamation Mark)を置く。

-Mike swims very fast.
-→How fast Mike swims!
--マイクはなんて速く泳ぐのだろう!(副詞を強調)
#br
-Mike is a very fast swimmer.
--→What a fast swimmer Mike is!
--→How fast a swimmer Mike is![まれ]
--マイクはなんて泳ぐのが速い人なんだろう!(<形容詞+名詞>を強調)


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