ə

ʒ

ʌ

第1文型

第1文型<S+V>というたった2つの文の要素から成る、最も単純なかたちの文型である。だからと言って簡単な文型というわけではない。むしろ、動詞の意味がわからなければ手も足も出ない可能性がある。

第1文型に用いられる動詞は自動詞(完全自動詞)かbe動詞である。第1文型を作るbe動詞は「(Sが)存在している/ある」という意味を表す。このため「存在のbe動詞」と呼ばれることもある。

第1文型の英文が文の要素(SとV)だけで成り立つのは珍しく、ほとんどの場合は修飾語句(副詞・副詞句・副詞節)を伴う。このため参考書の中には<S+V+M>(Mは修飾語句)という文型として扱っているものもある。

なお、There構文も特殊な第1文型に分類される。

There構文

ある不特定なものが存在することを示す<There+be動詞(などの動詞)+名詞>は、一般的にThere構文と呼ばれる。There構文は動詞部分が直後の名詞の数・人称に一致するため、いちおう第1文型(There+V+S)に分類される。だが、疑問文にするときThereが主語のように振舞って変則的な倒置を起こすため、特殊な文型と考えてよい。

1.2 第2文型と第3文型

1.2.1 第2文型(S+V+C)

第2文型<S+V+C>によって構成される。その特徴は、Cの意味上の主語がSになることである。Vにはbe動詞のほか自動詞(不完全自動詞)が入る。

第2文型の日本語訳は、Vがbe動詞のときは「SはCである」となる。不完全自動詞のときは、動詞の意味に合わせて語尾を適当に変えればよい。以下は、第2文型を作る代表的な不完全自動詞。

Cになる品詞は、名詞と形容詞に限られているが、他にも不定詞や分詞が入るので、ここでしっかりと基本を押さえておきたい。

1.2.2 第3文型(S+V+O)

第3文型は<S+V+O>によって構成され、Vには他動詞が使われる。基本的な日本語訳は「SはOをVする」となる。

日本語訳に惑わされて自動詞と他動詞を混同しないようにすること。以下は、特に紛らわしい他動詞。

一般動詞の中には自動詞にも他動詞にもなるものがあるので、注意が必要である。

1.2.3 同族目的語をOにとるSVO

普段は自動詞として使うことがほとんどの動詞が、その動詞の派生名詞を目的語に取って他動詞となることがある。そのような目的語を同族目的語と呼び、同族目的語が用いられている文を同族目的語構文と呼ぶ。同族目的語には通例形容詞がつく。

1.2.4 再帰代名詞(~self)をOにとるSVO

他動詞で表される動作が主語自身に向けられる場合、再帰代名詞(~self)を目的語に取る。

1.3 第4文型(S+V+O1+O2)

第4文型は<S+V+O1+O2>によって構成され、「SはO1にO2をVする」と訳出できる。O1(~に)を間接目的語、O2(~を)を直接目的語と呼ぶ。第4文型をとる他動詞は、本質的に「(O1にO2を)与える」という授与に関わる意味を持つ。

第4文型のほとんどは、O1を<前置詞+O1>の副詞句とすることで第3文型(SVO)に変換することができる。

ただし、次の動詞は第3文型に書き換えることはできない。

1.4 第5文型(S+V+O+C)

第5文型は<S+V+O+C>によって構成され、Cの意味上の主語がOになるという特徴を持つ。日本語訳のパターンはVによって微調整が必要だが、本質的に「SはOをC(の状態になることや動作をすること)にV」となる。

a. makeグループ

「OをC(の状態)にする」を意味する。Cが無ければ英文として完成しない。

b. paintグループ

主に「(動作の結果)OをC(の状態に)する」を意味する。Cが無くとも英文として意味を成す。

c. thinkグループ

「OをCと思う」を意味する。OとCの間にはto beが入ることもある。

d. <S+V+O+前置詞+C>の形を作る他動詞

下記のような一部の動詞はCを<前置詞+C>のかたちで取るので注意が必要である。

1.5 名詞節が文の要素になる文型

1.5.1 名詞節をOにとる第3文型と第4文型

目的語になる品詞は名詞であるが、名詞に相当するもの(名詞相当語句)であれば基本的に何でも目的語(直接目的語)になれる。具体的には、第3文型(SVO)のO、第4文型(SVO1O2)のO2に名詞節を置くことができる。節のかたちをした名詞を名詞節と呼ぶ。名詞節を作ることができる代表的な品詞は次の3つで、<接続詞(疑問詞)+SV…>の構造を持つ。

a. that:…するということ(目的語になるとthatはしばしば省略される)

b. if / whether (or not):…するかどうかということ

c. 疑問詞(who(m) / when / where / why / what / which / how)

間接疑問文として名詞節を作る。間接疑問については、1.9で詳しく解説する。

1.5.2 形式主語構文

名詞節を文頭に置くと文頭が大きくなりすぎて文のバランスが悪くなることがある。このような場合、形式主語(仮主語)のItを文頭に置いて名詞節全体を文の最後にまわすのが普通である。形式主語に対して、実際の主語である名詞節を真主語と呼ぶ。このような形式主語を用いた構文を形式主語構文と言う。

1.5.3 形式目的語構文

第5文型(SVOC)において、名詞節をOに置くと文の中間が大きくなりすぎる。このような場合、形式目的語(仮目的語)のitをOに置いて名詞節全体を文の最後にまわすのが普通である。形式目的語に対して、実際の目的語である名詞節を真目的語と呼ぶ。このような形式目的語を用いた構文を形式目的語構文と言う。

1.6 命令文

命令文は、主語Youが省略されており、動詞の原形から始まる。肯定の命令文(…せよ)は、動詞がbe動詞であればBeから、一般動詞であれば動詞の原形から始まる。否定の命令文(…するな)は、<[Don’t | Never]+肯定の命令文>のかたちを取る。

Let’sから始まる命令文は、「…しよう」という提案・勧誘を意味する。否定形はLet’s not / Let’s don’t / Don’t let’sから始める。

1.7 疑問文の種類(一般疑問/特殊疑問/選択疑問/付加疑問/否定疑問)

a. 一般疑問文

疑問詞を用いない疑問文を一般疑問文と呼ぶ。一般疑問文は、動詞がbe動詞であれば<Be動詞+S…?>、一般動詞であれば<[Do | Does | Did]+S+動詞原形…?>、動詞に助動詞が含まれていれば<助動詞+S+動詞原形…?>の語順をとる。一般疑問文への応答は原則としてYes / No(またはそれに相当する表現)で答えることができる。

b. 特殊疑問文

疑問詞(Who(m) / What / Which / Where / When / Why / How)で始まる疑問文を特殊疑問文と呼ぶ。特殊疑問文は、疑問詞が主語になる時は<疑問詞+V…?>、それ以外は<疑問詞+一般疑問文?>のかたちを取る。特殊疑問文に対してYes / Noで答えることはできない。

c. 選択疑問文

2つ(またはそれ以上)の中からどちら(どれ)かを尋ねる疑問文を選択疑問文と呼ぶ。一般的に<(Which+)一般疑問文+A or B?>のかたちを取る。

d. 否定疑問文

否定疑問文は、否定文を疑問文のかたちになおしたもので、確認や念押しの意味を持つ。一般疑問文が否定疑問文になった場合、応答に注意する必要がある。

e. 付加疑問文

付加疑問文は主に口語で用いられる簡単な疑問表現で、「…ですね?」と訳されることが多い。相手に賛同や同意を求めたり(上昇調)、自分の発言内容を相手に確認する(下降調)意味がある。肯定文の場合は<肯定文, VS否定形?>、否定文の場合は<否定文, VS肯定形?>のかたちをとる。

There構文の場合は、Thereを主語に見立てて、isn’t there? / is there?などとする。

肯定の命令文に続く場合は、will you?(…してくれませんか<指示・依頼>)とwon’t you?(…しませんか<勧誘>)のどちらもつけることができる。否定の命令文の場合はwill you?(…しないでね<依頼・懇願>)のみ。

話し手の苛立(いらだ)ちやじれったさを表す場合、次のようにcan’t you?を用いることもある。

Let’sに続く場合は、否定・肯定に関わらず、shall we?(…しようじゃないか<提案>)を用いる。

1.8 間接疑問文

間接疑問文とは、疑問文を名詞節にして文の中に織り込んだもの。言い換えれば、疑問文を名詞節化したものである。間接疑問文ではSとVの倒置は起こらない。すなわち、特殊疑問文を間接疑問文にするには<疑問詞+S+V…>に、一般疑問文を間接疑問文にするには<[if | whether](or not)+S+V…>の語順にする。ただし、次のように疑問詞が文の先頭に移動する場合もある。

1.9 感嘆文

何かを強調して激しい感情を表す文を感嘆文と呼ぶ。副詞や形容詞を強調するときはHowを、名詞(<形容詞+名詞>のかたちを取ることが多い)を強調するときはWhat(まれにHow)をつけて文の先頭に出し、文の残りには手を加えない。感嘆文の終わりにはピリオドの変わりに感嘆符(!:Exclamation Mark)を置く。


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