第4文型(SVO1O2)には、間接目的語(O1)と直接目的語(O2)、2つの目的語が存在する。そのため、それぞれの目的語を主語にした受動態ができるはずである。しかし、実際にはどちらか一方の目的語を主語にした受動態が正用として認められている場合が多い。
O1とO2のどちらも受動態の主語になる場合 †
第3文型に変換したとき、間接目的語の前に前置詞toを置く、いわゆるto型の動詞(giveなど)が作るSVO1O2は、一部をのぞいてO1・O2のどちらも受動態の文の主語になる。
- SMy uncle Vgave O1me O2this pocket watch. [能動態:SVO1O2]
O1を主語にすると、受動態は次のようなSVOになる。
- SI Vwas given Othis pocket watch <by my uncle>. [受動態:SVO]
- 私は叔父からこの懐中時計をもらった。
- このとき、Oのまま残留しているO2を保留目的語と呼ぶ。
O2を主語にする受動態を作る場合、まず、能動態のSVO1O2をSVOに変換し、Oを主語にした受動態を作るのが普通である。第3文型(SVO)から受動態を作ることになるので受動態の文型はSVになる。
- SMy uncle Vgave Othis pocket watch <to me>. [能動態:SVO1O2をSVOに変換]
- SThis pocket watch Vwas given <to me> <by my uncle>. [受動態:SV]
- SVO1O2からSVOへの変換は、第4文型から第3文型への書き換えを参照。
- SVOに変換せずgiven meとしても、文法的には通用するので間違いではないが、一般的に自然な英語とは考えられない。