''未来時制''(Future Tense)は、助動詞will / shallなどを用いて表す。未来には、無意志未来と意志未来とがある。現代英語では、無意志未来・意志未来に関わらず、また、主語の人称に関わらずwillを用いるのが普通で、shallを用いると形式的な表現になる。また、意志未来でshallを用いるのは、話者の意志や相手の意志を表す他、規則や法律文などの形式的な表現に限られる。 *無意志未来(単純未来) [#ra8164fe] ''無意志未来''(単純未来)とは、人の意志に関係なく行われたり起こったりする未来の事柄で、自然の成り行き/必然/予想/推察を指す。 -It ''[will | shall]'' rain tomorrow. --明日は雨になるだろう。 --- willはアメリカ英語、shallはイギリス英語とされてきたが、現代イギリス英語ではwillを用いる傾向が強まっている。 -He ''will'' leave for China next week. --彼は来週中国に発つでしょう。[話者の予想] ---He leaves for China next week.[確定的未来]と比較せよ。 -''Will'' she recover soon? --彼女はすぐに良くなるだろうか。 -''Will'' you come here tomorrow? --明日時間どおりにここに来ますか? ---次項で述べる依頼の意(~してくれませんか)とも解釈できるが、依頼を表す場合はpleaseをつけて区別することが多い。 *意志未来 [#n3dc1acc] 意志未来によって表されるのは、誰かの意志によって行われる未来の事柄で、意図/意向/決心/決意/固執/習性を表す。be going toについては、[[will以外の未来表現]]を参照。 -I'''ll'' (= I ''will'' | I ''shall'') do my best. --最善を尽くすつもりです。[意図] -''Will'' you open the window, please? --窓を開けてもらえませんか?[相手の意図を依頼的に確認] ---前項のWill you come here tomorrow?は、依頼(明日ここに来てもらえませんか)とも取れる。<Would you ~?>や<Could you ~?>とするとさらに丁寧になる。 -This door ''won't'' open. --このドアはどうしても開かない。[固執] -Oil ''will'' float on water. --油は水に浮くものだ。[習性] ---Oil floats on water.(不変の真理)とも言えるが、willを用いると実験に基づく予測が可能であることが強調される。実験が不可能な真理には現在時制を用いるのが普通。 will / shallが無意志未来か意志未来のどちらを表すかが不明瞭な場合、文脈から判断する。 -He ''won't'' eat this. --彼はこれを食べないだろう。[無意志未来] --彼はこれを食べようとしない。[意志未来] ---willは否定形ではwon't、shallはshan'tに縮約される。 原則として、[[時・条件を表す副詞節では未来時制の代わりに現在時制を用いる:http://mep.papiko.com/index.php?%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E6%99%82%E5%88%B6#cbd35d6c]]が、相手の好意に基づく意志を強調するときは条件節内で意志未来のwillを用いることがある。 -Now if you'''ll'' excuse me, I'm going back home.[好意に基づく意志] --そろそろ失礼させて頂いて、家に帰ります。 shallを用いることで話者の意志を表すことがある。 -He ''shall'' call you. --彼からあなたに電話させます。[話者の意図] -''Shall'' I carry your baggage? --お荷物をお運びしましょうか。[相手の意向を提案的に確認] -''Shall'' we go out for a walk? --散歩に行きましょう。[相手の意向を提案的に確認]